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02 / 立ち上げの準備

アイドルグループを立ち上げたい。最初に決めるのは、名前より活動の条件だった

アイドルグループを立ち上げてみたい。

その気持ちはあるのに、何から始めればいいか分からない。コンセプトを考えるのは楽しい。でも、メンバー募集の文章を書こうとすると急に難しくなる。

僕もそこにいた。元エンジニアで、運営経験も、相談できる業界の知り合いもなかった。

先に答えを書くと、僕に必要だったのは、人に説明できる活動の条件を決めることだった。どこで、どのくらい活動するか。自分が何を担当するか。何をまだ決められていないか。それが見えないまま、サイトを整えようとしていた。

サイトは作れた。でも「何をするグループか」が書けなかった

僕はサイトから手をつけた。自分の得意なことなら、作業を進められたからだ。

ところが、活動内容のページで止まった。どんな雰囲気にしたいかは言えても、週に何回集まれるか、どの地域を拠点にするかを説明できなかった。

応募する人が判断したいのは、自分がその活動を続けられるかどうかだ。格好いい名前やロゴだけでは、そこが分からない。

「まだ準備中なので」と言えば済むと思っていた部分を、先に考える必要があった。

最初の企画は、この五つを一枚に書く

今、最初の自分に渡すなら、まず五つの問いを渡す。

一つ目は、どんな音楽やライブを届けたいか。好きなグループの名前を並べるだけでなく、何に惹かれているのかまで言葉にする。

二つ目は、活動する地域と頻度。自分の希望だけでなく、集まる人が移動や生活を含めて検討できる具体性が欲しい。

三つ目は、自分の担当。募集の更新、問い合わせへの返信、日程調整など、誰が引き受けるのかを空白にしない。

四つ目は、使える時間と予算。立ち上げ時に用意できるものと、活動を続けるために出せるものを分けて考える。

五つ目は、未定のこと。楽曲や振付など、外の人に相談しないと決められないことも書き出す。

全部をその場で埋める必要はない。空欄があれば、それが次に確認することになる。僕には、完成した企画書より、この一枚のほうが必要だった。

メンバー募集の前に、「聞かれたら困ること」を見る

活動地域や費用の説明が曖昧なまま募集すると、応募者から質問が来たときに困る。

例えば「いつから活動しますか」と聞かれて、予定がまだ決まっていないなら、その状態を説明する必要がある。確定した日程のように書いて、あとから変えるのとは違う。

「未定」と書くこと自体が失敗なのではない。何が未定なのか、自分でも把握していないことが問題だった。

だから、応募者に聞かれそうな質問を先に並べる。活動頻度、費用の負担、自分の運営経験。そこに答えを書いてみると、募集前にやることが見えてくる。

一度に全部できるようになる必要はなかった

楽曲も衣装も撮影も、最初から全部自分でできる人を目指すと、僕は動けなくなった。

自分で進めることと、相談することを分ける。相談するときは「何も分かりません」ではなく、「ここまでは考えたが、この条件で可能か」と聞ける状態にする。

立ち上げの準備は、その往復だった。分からないことが消えるのを待つより、分からないことを相手に説明できるようにするほうが前に進めた。

一枚のメモから、実際の募集へ

その後、僕は複数のオーディションサイトに募集を掲載し、問い合わせを受け、面談を重ねてグループを立ち上げた。名前はここでは出せないけれど、この記事を書いている今、もうすぐ2周年を迎える。

だからといって、最初のメモに特別な正解が書いてあったわけではない。

変わったのは、誰かに見せて質問できる状態になったことだった。「作ってみたい」を、相手が返事できる文章にする。そのところで、僕はずいぶん迷った。

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